感染の経路を確実に遮断する

ノロウィルスの感染経路

 
空気感染

感染している人が咳やくしゃみ、嘔吐をした際に、口から飛び出した飛沫が乾燥し、その芯となっている病原体が感染性を保ったまま空気の流れによって拡散し、長時間空気中に浮遊することによって、近くの人だけでなく、同室にいる人もそれを吸い込んで感染します。

飛沫感染

感染している人が咳やくしゃみ、嘔吐をした際に口から飛ぶ、病原体がたくさん含まれた水しぶき(飛沫)を近くにいる人が吸い込むことで感染します。飛沫は空気中に浮遊し続けることはなく、約1 ~ 2mの範囲で飛散し、床に落下します。

接触感染

感染源である人に触れることで伝播する直接接触感染(握手、だっこ、キス等)と、汚染されたものを介して伝播する間接接触感染(ドアノブ、手すり、遊具等)があります。最も頻度の高い感染様式です。

経口感染

病原体を含む水や食べ物を介して感染します。いわゆる食中毒は経口感染の部類になります。
 

「二次感染」を防ぐために
嘔吐物処理には「凝固剤」を使う

 
ノロウィルスには、「空気感染」「飛沫感染」「接触感染」「経口感染」という4つの感染経路があるとされています。
 

  • 「空気感染」を遮断・予防するには、空気中に噴霧できる除菌剤を使用するのが一般的です。次亜塩素酸ナトリウムや二酸化塩素系の除菌剤の噴霧は目や気管支への刺激があり、アルコール系の除菌剤は小さなお子様やアルコールに弱い方には不向きです。大気中に噴霧する除菌剤には、人や環境にやさしく、ノロウィルスにも有効な「次亜塩素酸水」を使用するのがおすすめです。

 

  • 「接触感染」を遮断・予防するには、十分な手洗いと手指消毒をかかさず、身の回りの接触対象物を除菌することです。

 

  • 「経口感染」に対しては、頻繁にうがいをすることと、食品の加熱処理、薬剤を使った食品洗浄などで遮断・予防します。

 

  • 「飛沫感染」に対しては、マスクを着用したり、ウィルスを大量に含む嘔吐物(汚物)の処理を確実に行うことで遮断・予防します。

 
確実な嘔吐物処理を行うためには、「凝固剤」(吸収剤)の使用は必須といわれています。ウィルスをたくさん含んだ嘔吐物(汚物)を凝固剤(吸収剤)で封じ込め、その状態で除菌を行えば、飛沫拡散も最小限に抑えられるからです。
 
また、その処理をする人は自身への二次感染を防ぐために、個人防護具(PPE)とよばれる手袋やエプロン、ゴーグルなどの着用を要します。飛沫が付着したままだと汚染圏を広げることになってしまうため、使い捨てタイプの防護具が使われるのが一般的です。